英語を身につけるなら“楽しく歌って遊んで”がいちばん!

エリック・ジェイコブセンさん◎ミュージシャン

エリック・ジェイコブセンさん◎ミュージシャン

今回のゲストは、子ども向け英語TV番組の出演や、CD&ブック「エリックと英語でうたおう!」(アルク刊)などでおなじみのエリック・ジェイコブセンさんです。ミュージシャンとして幅広く活躍しているエリックさん、日本に来て20年になるとか。日本語を身につけるまでのエピソードや、子どもの英語教育についての考え方、また一男一女のお父さんとしての過ごし方などを聞いてみました。

―いつもギターを手に英語で歌ったり作曲まで手がけたりと、子どもたちに大人気のエリックさんですが、昔はどんな子でしたか?

そうだなぁ、いつも泣いてばかりで、実はシャイでしたね。でも、人前でパフォーマンスするのは大好きだった! ギターは、父がフォークミュージックが好きでよく弾いていたから、僕も自然に弾くようになったんだ。

―日本に来て20年になるそうですが、きっかけは?

アメリカで高校2年のとき、交換留学の話があって申し込んだんです。普通に大学に進む前に留学して、大学に行く意味を見つけるのも大事かと思って。留学先はフランスやスペインの南海岸を最初考えたけど、「日本もどう?」と留学機関から提案されて、行ったことない国もいいな!と思ってすぐ決めました。1ヵ月後はもう山梨の高校にいましたね。

来た当初は日本語も何もわからなくて、人と話せないから自分自身と会話してた(笑)。そうなって初めて、ギターで自分の気持ちを詩にして作曲し始めたんです。その曲をある日、日本全国の留学生の集まりで披露したらすごく共感してもらえて、恥ずかしがらずに本当の気持ちを歌にすると、良い曲ができるんだと知りました。

―いまや日本語は完璧ですが、どう勉強したんですか?

テキストを丸暗記したり、山梨の高校の先生が特訓してくれたのも大きかったけど、一番役立ったのが音楽! 山梨の高校でブラスバンド部に入ったとき、そこに僕と同様に作曲を始めていた男の子がいて、意気投合してお互いの曲を歌い合うようになったんだ。日本語を覚えようというよりも、「彼とハモりたい!」という強い思いが、結果的に日本語の習得にすごくつながりました。

―CD&ブック「エリックと英語でうたおう!」も、そうした体験があるからこそできたといえるのでしょうね。

そうだね! 英語を無理に覚えさせようとすると、子どもは英語がイヤになっちゃう。だから、子どもが興味を持つことから入るのがいい。その一つが歌。「この歌が楽しい、大好き、聴きたい、歌いたい……。それがたまたま英語だった」というパターンがいいよね。このCD&ブックには、欧米ではポピュラーな歌と、僕自身が作曲・アレンジした歌とが収録してあるんだけど、どれも歌いやすくて、親子で楽しみながら自然に英語が身につく内容です。僕自身もとても楽しんで作りました。

―エリックさんの曲を聴くと、ノリノリ気分になって体も思わず動き出します。曲のアイデアは、2人のお子さんと普段接する中で沸くこともあるんですか?

いっぱいあります。作った曲をうちの子に聴かせてテストしたりもする。子どもは正直だからね。難しい顔で「ん〜、まあまあだね」なんて言ってきたら、違うアレンジにしたり(笑)。家で僕がピアノやギターを弾いてると、子どもたちも一緒に歌い始めますよ。日本語でも英語でも歌うし、会話も両方問題なく話しています。

―「小さいころから日本語と英語を両方学ぶと混乱するのでは」と心配する親もいますが、どうしていますか?

うちでは「一つの文章に日本語と英語を混ぜない」というルールを作っています。混ぜるとなんだか変な文章になるし、子どもがそれを癖にするといけないから。親がちゃんと分けて使えば、子どもも区別できると思う。

―両親ともに英語ができない家庭の場合は、どうしたら子どもは英語を身につけられますかね?

 それこそ「エリックと英語でうたおう!」がオススメ(笑)! 最初は意味が分からなくても、聴いて楽しむだけでもいいと思うんだ。音をインプットさえしておけば、必要な時が来たときアウトプットしやすい。そして、インプットは早いうちがいいよね。子どもの脳のパワーはすごいから。実は僕の祖父母はノルウェー出身で、僕は意味は分からないけど小さいころからノルウェー語を耳にしていた。そういうインプットがあったから、大学生になってノルウェー語を勉強したときはすぐに理解できたし、初めてノルウェーの親戚の家に行ったときも会話ができて、本当に幸せな気持ちだった。

―音楽から語学までエリックさんて本当に多才で、活躍の理由がわかる気がします。今後はどんな活動を?

親子みんなが楽しめる野外ファミリーコンサートをやるのが、以前からの夢なんだ。ソロありバンドありで、演奏する僕らもお客さんも一緒にコミュニケーションできるコンサートをね。広〜い野外でみんなが気持ちよく楽しく過ごしてくれたら、もう最高の気分だよね!

<インタビューを終えて〜記者の感想>

インタビューの最中に即興で曲を作ってみせたり、会話の運び方もウィットに富んでいたりと、エリックさんは本当に人を楽しませる天才でした! ホームページ(http://www.dfbmusic.com)では、エリックさんの日記や活動予定、絵本の読み語りなどが楽しめます。また、携帯サイト(http://www.eigojuku.jp)では、エリックさんが作った親子向けの英語の歌が聴けますよ。英語が楽しく身近なものになること間違いなし!

インタビュー:沢見涼子 写真:小橋城

CD&ブック「エリックと英語でうたおう!」(アルク刊)には、「ABCのうた」などポピュラーなものから、エリックが作曲・アレンジした歌まで、親子で楽しめる英語の歌が満載だよ! アメリカの生活についてのエリックのエッセイや、ライム(遊び歌)や早口ことばなども載っています。楽しく遊んで英語を大好きになろう!

エリック・ジェイコブセンさん◎ミュージシャン

【プロフィール】
ミュージシャン。1963年アメリカ・ニューヨーク生まれ。81年に山梨県の公立高校に1年間留学し、帰国後コロラド州立大学日本語学科に入学。卒業後86年に再来日し、NHK「えいごであそぼ」など子ども向け英語教育番組やCD・書籍、イベントなどで活躍。プライベートでは一男一女(11歳、8歳)の父親。得意なスポーツはスキーのほか、草野球チームで汗を流したり、最近は長女と一緒に一輪車にも挑戦中とか。