英語は耳から!外国語を学ぶと日本語も好きになる

ヘンリー・ドレナン(通称ヘンリーおじさん)

ヘンリー・ドレナンさん◎ヘンリーおじさん

「ヘンリーおじさん」の愛称で親しまれているヘンリー・ドレナンさん。CD「ヘンリーおじさんのやさしい英語のうた」シリーズや書籍など、親子向けの英語教材を数多く世に送り出しています。日本人とイギリス人の間に生まれ、どちらの言語も母国語であるヘンリーおじさんの目から見た、日本の英語教育のあり方、外国語を学ぶ大切さなどを聞きました。

—よく、「日本人は英語の読み書きはできるのに、会話となるとからっきし」と指摘されます。

日本の英語教育は、中学校の読み書き・文法から始まりますからね。もちろん、読み書きの勉強は大事なんですよ。問題は、会話の勉強が不十分ということです。

本来、人間が言語を習得する過程とは、まず耳から音として言葉を聴き、人との関係の中でその音を「意味のある単語」として認識していくというもの。そして、小さいときに耳から入った物事は、言葉でも音楽でもなかなか忘れません。だから私は、英語もできるだけ小さいころから、しかも耳で聴くことから始めるべきだと思います。そうすれば会話はもちろん、聞き取り能力もつきます。耳を鍛えるだけでも、日本人の英語力は飛躍的によくなるはずですよ。TOEICの日本人の平均点は世界でも下のほうですが、聞き取りテスト以外はかなりよい点数だと聞いたことがあります。

—幼少期の英語教育に反対の人もいますが……。

中学校の文法教育を、幼少期にもそのまま持ち込むものだとイメージしているからではないでしょうか。私は、子どもが英語を学ぶ一番いい方法の一つは歌だと思います。しかも「This is a dog(これは犬です)」「I like ice creams(私はアイスクリームが好き)」ぐらいの単純で日常的な歌詞の歌がいい。でも、英語の有名な童謡も、歌詞が古語だったりして難しい。私はシンガーソングライターでもあるので、「だったら自分で曲を作ろう」と思って出したのが、CD「ヘンリーおじさんのやさしい英語のうた」シリーズなのです。

—単語だけでなく曲も楽しくて覚えやすく、聴き終わった後も歌が頭の中でぐるぐる回っていました(笑)。

いろいろ工夫もしてあるんですよ。例えば「Don't you have a Pet?(ペットは飼っていないの?) 」と聞かれれば、日本語では「はい、飼っていません」などと答えるけど、英語は「いいえ、飼っていません」が正しい。こういう受け答えが自然に身につく曲も作りました。

—日本人は、「R」など日本語にない発音が苦手で相手に通じにくいとも聞きますが、アドバイスはありますか。

ちょっと「ラリルレロ」と発音してみてください。どうですか? 私の経験では、日本人の7〜8割がラリルレロを「L」と「R」の中間で発音しています。日本語に「R」の要素がまったくないわけではないんですよ。英語の「R」を発音したいときは、少し「ウ」に近づけて発音するといいでしょう。後はその場の状況で通じます。

言葉の通じる度合いは、あなたの英語を聞く相手が、外国人に慣れている人かどうかでも違ってきます。アメリカのニューヨークにはさまざまな国の人が集まり、クセのある英語で話す人が大勢いますが、そういう人がいて当たり前だと皆わかっているので通じます。

—ヘンリーおじさんご自身は、2人の息子さんもバイリンガルに育て上げたそうですね。

「日本人の血が流れているんだから」と日本語を学ばせてきましたが、長男が小学3年くらいのとき、地球儀を私に突きつけて「日本はこんなに小さい! 日本語は日本でしか使わない! なのにどうして勉強しなくちゃいけないんだ!」と反抗しましてね(笑)。でも、そんな彼もいまは、日本語を身につけて本当によかったと言っています。彼はアメリカで歯科医をしていますが、日本人も診ています。それに、「近所にうまいうどん屋があるよ」とか言われても分かる(笑)。そういう情報も大事なんですよ。もし理解できなかったら、日本のおいしいうどんとはどんな味かを知らずに終わるんですから。

同じように英語も、話せないよりは話せたほうが断然トクです。もちろんほかの外国語でもいいですが、英語がいまや国際語である以上は、学んだほうが将来どんな仕事をするにも有利です。そして何より、たくさんの情報や文化に触れることができ、いろいろな人との出会いや活動範囲も広がる。これが最もすばらしいことです。

—ヘンリーおじさんは英語と日本語、どちらが好きですか?

実は、日本語を話しているときのほうが私は楽しいんです。日本語は表現が豊かだから。男性と女性で話し方が違ったりもするし。英語では、そういう違いはイントネーションで変化をつけるぐらいしかできません。外国語を学んでこそ、日本語の良さが分かるんです。

<インタビューを終えて〜記者の感想>

率直な話しぶりとユーモアで始終私たちを沸かせてくれたヘンリーおじさん。今回紹介したCDの歌詞も、英語学習のために緻密に計算されている一方、人を「くすっ」とさせるユーモアが実にさりげなく盛り込まれていて、感心させられました。CDジャケットのイラストや、トレードマーク「ヘンリー坊や」も、ご自身が描いたものとか。何でもできてしまうヘンリーおじさんは、子どもたちにはマジシャンのような存在かもしれません。

インタビュー:沢見涼子 写真:小橋城

「ヘンリーおじさんのやさしい英語のうた」シリーズ

英語の発音や語順・会話はもちろん、算数や日常生活のルールまでもが楽しく学べる歌詞。シンプルで親しみのあるメロディーに乗せ、英語が自然に口から出てくるようになります。ブロードウェイミュージカルやTVでも活躍する子どもたちによる美しい歌声も圧巻!

  1. 「ヘンリーおじさんのやさしい英語のうた」
  2. 「ヘンリーおじさんのやさしい英語のうた ♯2」

「やさしい英語のうた」の秘密 〜ヘンリーおじさんが語る制作秘話〜

「ヘンリーおじさんのやさしい英語のうた」の魅力とは、どんなところにあるのでしょうか?
不思議な力を持つCDの秘密を、ヘンリーおじさんにじっくりと語っていただきました。


書籍もあるよ!

ヘンリーおじさんは英語子育てに関する書籍も出版。

日本の童謡を英語で歌おう!

なじみにくい英語も、よく知っている歌なら抵抗なく取り組めます。

サイトも見てね

▶ ヘンリーおじさんと遊びながら英語を覚えよう!
ヘンリーおじさんのHPです。活動や著作物、使える英語表現などを紹介。ヘンリーおじさんのメルマガ(無料)の登録もできます(携帯でもOK)

▶ ヘンリー坊やのアメリカンライフ
アメリカの生活や生きた英語を動画アニメで紹介(声優としてヘンリーおじさんも参加)。読者参加型の「キーフレーズ」コーナーや、ブログ「教えて!ヘンリーおじさん」(http://henry.weblogs.jp/)もあるよ。「The Eiken Times」が提供

▶ ヘンリーおじさん!これを英語でなんて言うの?
ほぼ毎日更新で英語のフレーズを紹介。世界子育てネット「SweetHeart」が提供

▶ ヘンリーおじさんの英語子育て質問箱
英語子育てに関する質問に答えます。アルクのキッズ英語が提供

▶ 携帯サイトもあるよ! http://ktai.alc.co.jp/yahoo/kids/
アルクのキッズ英語がYahooの携帯コンテンツでお送りするヘンリーおじさんの子育て英語表現

ヘンリー・ドレナン(通称ヘンリーおじさん)

【プロフィール】
英語子育てのプロフェッショナル。英国人の父と、日本人の母をもち、8才から東京で育ったバイリンガル。1960年代に音楽家やシンガーソングライターとして活躍し「かわいそうな娘」の歌がミリオンセラーに。その後、広告代理店のプロデューサーに転身し、大手企業のマーケティングや広報分野などで活躍。2001年より「ヘンリーおじさん」の愛称で、英語子育てに関するCDや書籍を数多く発売。現在、成人した息子が住むアメリカと日本を往復する生活。